「あたしをこのままにして帰らないでね」
貴子は表情を曇らせた。両手首は背中で拘束され、乳房の上下にはしっかり麻縄が食い込んだ後ろ手縛りにされ、不安感が増してきたのだろう。
「もう少し腹が据わってるかと思ってたぜ」
金井は貴子の乳×を摘んで揉みたてながら嗤った。「ちょっとは可愛いところがあるじゃないか」と言いかけて思いとどまった。それまでの貴子の言動を思い返すと、皮肉が口をついて出るのも致し方ないところだったが。
貴子に逢ったのは、大阪・ミナミのショットバー。今から10年前、1カ月間の出張で初めて大阪の地を踏んだ金井は、バーのマスターと世間話をしていたとき、隣に座っていた貴子に話しかけられた。
「東京の方ですよね?あたしも東京出身だから、標準語が懐かしいんです」
貴子は25歳で老舗百貨店の婦人服売り場に勤めていると話した。世田谷出身だが、父親の仕事の都合で高校入学時に大阪へ引っ越し、そのまま居着いてしまったという。標準語を話す金井に気を許したのか、酔っ払ってしまったのか、貴子は妙に饒舌だった。いわく、自分は結婚を前提に付き合っている男がいるが、そいつはケチなので気前の良い医者とも二股で交際している。同僚には金持ちの客に気に入られて愛人となり、マンションを買ってもらっている者もいる―。そんな話しかしない貴子に辟易としながらも、金曜日の夜にビジネスホテルのシングルルームに帰る気にもならず、金井は貴子の言葉に耳を傾けるフリをしていた。
やがて話題も尽き、金井が勘定を済ませようとすると、「もう少し呑みたい」と貴子がしなだれかかってきた。ホテルの部屋で続きをしようと誘うと、貴子は素直についてきた。
「こんなプレイ、知ってる?」
部屋で呑み直して少し経った後、金井は貴子に麻縄の束を見せた。大阪出張を機に、ネットで知り合った神戸の女性とSMプレイを愉しむべく、荷物の中に忍ばせてきたのだ。こんな形で使うことになるとは思ってもみなかったのだが。
「わあ、何これ?そういうの好きなんだ」
貴子の目は好奇心に輝いている。
「そそ、気持ちいいぜ、これを使うと」
金井は言うと、貴子の唇を奪った。胸に手を伸ばしても抵抗は感じられない。金井は貴子をバスルームに連れ込んだ。
風呂から上がり、金井が貴子の肌に縄を這わせはじめると、それまで朗らかだった彼女は無口になり、表情は硬化した。そんな彼女をベッドに押し倒し、金井はローターを取り出した。
「こんなのも使ったことあるんだろ」
「ないって。金井さんって変態なの」
「今さらウブなふりすんなって。男を二人も手玉に取って、今日初めて逢った男にS×プレイを許してるくせに」
金井はローターを貴子の乳×にあてがってその効果を実感させた後、クリ×リスに押し付けた。
「ああ、いい…」
貴子はあごを上向きにしてよがり声を上げた。金井は敏感な部分に宛がったローターのスイッチを最強にした。
「だめ…。もうだめっ!」
貴子の股間から透明な液体が噴出された。それは瞬く間にベッドのシーツに大きなシミを広げていった。
「これ…。おしっこじゃないよ」
「潮吹いたってのか」
「そんなの経験ない…」
「アンモニア臭がするぜ、これ」
「…」
「初めて縛られて、オモチャであっという間に逝かされて、ションベン漏らしちまったわけだ」
揶揄するような金井の口調に、貴子は黙り込んだままだ。
「おれにもションベンが掛かったぜ。お仕置きしなきゃな」
「お仕置きって何よぉ」
「一つ教えておいてやろう。×Mの世界ではな、M女が粗相したら、相応の罰を受ける決まりになってるんだよ」
貴子は金井から顔を背け、泣きべそをかいた表情を隠そうとしている。そんな貴子を見下ろしながら、金井は彼女に最も恥辱を与える「お仕置き」を考え始めていた。
「お仕置きの前に、小便まみれのオマ×コをキレイキレイにしてやるよ」
金井は後ろ手縛りの貴子をベッドから引き起こし、バスルームに引っ立てた。2畳ほどの内部には小さなバスタブが備え付けられており、その反対側の壁には一面に鏡が張られていた。
「恥ずかしい…」
縄付きで素っ裸の自分の姿が鏡に映ると、貴子は頬を染めた。
「初めての男と一緒に入浴しても平気なくせに、何を言ってやがる」
金井はせせら笑いながらも、三つ折りにしたフェイスタオルで貴子に目隠しを施し、全裸緊縛の自身が見えないようにした。貴子は「この人、意外に優しいのかしら」と少し安堵した。同時に、不倫相手の医者とのセ×クスで目隠しをされて普段以上に感じてしまい、呆れられたことが脳裏に蘇り、さらに羞恥心を煽られてしまった。
「ほら、足を開いて」
ザーッという水音がすると、シャワーの温水が濡れそぼった股間に当てられた。
「んっ。ああん」
貴子が思わず切なげな声を漏らすと、金井はすかさずシャワーの水流を強める。
「いい大人が汚したところを清めてやってるんだから、変な気分になるんじゃないぞ」
そういう金井は、シャワーの狙いをク×トリ×に定めている。水流をさらに強くしたり、いきなり弱くしたりと、貴子を嬲る意志は明白だ。視界を遮られ、ただでさえ五感の鋭さを増した貴子はひとたまりもなかった。
「あああ、逝きそう…」
「愉しませてやるつもりはないんだがね。念を入れて洗ってやるから、おとなしくするんだ」
貴子が頂点に達する寸前で金井はシャワーを止めた。石けんを泡立て、貴子の敏感な部分に塗りたくる。谷間やその周辺の草むらに泡を広げた後、クリ××スに入念に擦り込む。
中指の腹に泡を付けて肉芽をマッサージし、「あ、滑った」などと言いながら中にも指を潜り込ませてくる。そんなことを繰り返されているうちに、貴子の感覚は再び昂ぶらされていく。
「あはん、だめ、いいぃ…」
「だから、気持ちよくなっていいと許可した覚えはないぜ」
金井が中に差し入れた中指が2、3度突き入れるのを感じた後、やや朦朧とした貴子は冷たいものが当たるのを感じた。
「何してるのよ…」
「鏡を見りゃ分かるぜ」
目隠しを外されると、金井が手にした安全カミソリが草むらを剃り始めている様子が目に飛び込んできた。
「止めてっ!気が狂ったの」
「お仕置きしてやるって言ったろ。ほら、動くと大事なところに怪我するぜ」
貴子の抗議をいなしながら、金井はカミソリを持った手をゆっくりと、しかし丁寧に動かしている。貴子の草むらは既に左半分が刈り取られていた。
「彼氏に逢えなくなっちゃう…」
「毛がない方が新鮮でいいかも知れないぜ。ホントは金持ちの医者に逢えない方が困るんだろ」
「ああ、止めてよぉ。許して」
貴子は腰を動かして金井のカミソリから逃れた。
「なら、止めてやる。このままでもいいならな」
貴子が鏡に目をやると、恥丘の右半分にだけ黒々とした茂みが残っている。白い肌を露出している左半分とは好対照だ。
「ああ、どうしよう…。来週、友だちと温泉に行く約束もあるのに」
「毛を半分だけ生やしてるのも、おしゃれかも知れないな」
「人に何て言い訳すればいいのよ!ホントに困っちゃう…」
「温泉なんてキャンセルしちまいな。彼氏や不倫相手と逢うのも、当分おあずけだ」
「そんな…」
貴子は双眸に涙を溜めて金井を睨む。彼女の恨み顔を見て内心で快哉を叫びながら、金井は言った。
「おれはあと1カ月大阪にいる予定だ。他の男に逢えない間、代わりにおれが可愛がってやる。毎回縛り上げられ、イヤらしい責めをフルコースで味わわされるんだ。なあに、一月後には毛も生えそろってるさ」
金井は残りの毛叢にも石けんの泡を塗り始めた。貴子は覚悟を決めたのか、放心状態になっているのか、はかばかしい抵抗もしない。しかし、1カ月後にまた剃毛してやるつもりだと知ったら、貴子はどんな反応を示すだろうか。
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