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    「定義」(「札幌処刑台」・後編)


     乳首を舐め転がされ、指の間に挟まれたもう片方の乳首も揉み転がされながら、鼠径部に口づけを繰り返され、美紀はのたうち回っていた。人の字縛りからは解放されたものの、上半身を高手小手に拘束した縄目は解かれないまま、ベッドの上に転がされた。
     美紀と同じ全裸となった酒巻は乳首を愛撫しながら、先ほどまで三所責めにされていた部分の周囲を執拗に擽り、舐めしゃぶっている。何度かもたらされた絶頂によって燃え盛った身体の芯は、再び熾火となって美紀の心身を甘痒く嘖んでくる。
    「あぁん、酒巻さん……」
    「どうした?」
    「もっと……もっと気持ちいいところを……」
    「充分に気持ちいいだろ、乳首をこんなに尖らせてるんだから」
     充血した薄桃色の乳首が捻り上げられ、体奥から熱いものがまた滴るのを自覚させられる。思わず腰が持ち上がる。
    「意地悪っ」
    「縛られて、こんなわいせつなことをされるなんて、普通は嫌だろ。 なのにおねだりするなんて、どんだけスケベなんだ、あん?」
     言葉で美紀を追い込みながら、酒巻は乳首に負けず屹立している肉芽をチュッと吸った。
    「あぁん」
     美紀が声を張り上げると、酒巻の口唇は再び秘部の周囲を彷徨う。陰湿な焦らしに美紀は半べそをかきながら哀願した。
    「あんっ、もうください……。お願いしますぅっ」
    「また指を入れてほしいのか?」
    「指なんかじゃイヤっ! 酒巻さんの温かいのを……」
    「つまり、おれにもっとわいせつな行為をしてほしいんだな。それとも、みだらな行為か?」
     酒巻はベッドの上に中腰となり、すっかり勃起した怒張を右手でしごいて見せた。美紀の視線がそこに吸い寄せられている。
    「わいせつなことしてっ!」
    「よし、願いを叶えてやるか」
     肉棒に手早くコンドームをかぶせると、酒巻は美紀の腰の下に枕を差し入れた。期待に輝かせた美紀の大きな瞳を覗き込んで微笑みながら、怒張の先端で濡れ光る秘裂を上下に擦り上げた。時折、手で支えた先っぽの部分で肉芽を弄り、さらに甲高い悲鳴を絞り出させる。
    「ああん、早くぅ……」
    「もうしてやってるじゃないか」
    「……れて……」
    「聞こえないなあ。それにわいせつなこと、もう嫌ってほどしてやってるだろう」
    「入れてっ!」
     あくまで空とぼける酒巻に、美紀は苛立ちの混じった泣き声をぶつけた。
    「そんなこと頼まれてないぞ」
     乳首の根元を甘噛みされながら、再び肉芽が擦り上げられ、美紀は焦れながら熱く白濁した粘液を吐き出していた。
    「わいせつなことしてって頼んでるじゃない、さっきから……。お願いですからぁ」
    「一つ教えてやろう。法律的には『わいせつな行為』ってのはな、こうやって服を脱がしたり、身体を色々弄くり回して美紀を喜ばせることを指すんだ」
     相変わらず先端は秘裂に擦り付けられている。腰をもたげてそれを受け入れようとしても、巧みにかわされてしまう。
    「ああ、こんなの辛い……」
     涙の溜まった目で酒巻を睨むものの、その表情はすぐ哀願に切り替わる。白いムチムチした身体を桃色に火照らせ、ただのたうたせている。
    「対して『みだらな行為』ってのはな、『性交』、つまりオマ×コすることを指すんだ」
     そんな法的定義など、単なる事務職の美紀が知るはずはない。だが、改めて酒巻の肉棒をねだらずにはいられなかった。
    「み、みだらなことしてっ!」
    「今さらそんな言い方してもダメだ。はっきり『オ×ンコして』って言え」
     一瞬の間の後、美紀は口を開いた。
    「お……オマン×して……」
     消え入りそうな声だった。
    「この言葉、聴かせてやりたいぜ、美紀を大切に育ててくれたご両親にな」
    「言わないで、そんなことっ!」
    「自分の娘が悪い遊びを覚えて、みだらなおねだりをするまで堕ちたんじゃ、ご両親も浮かばれないよなあ」
    「堕ちてもいいっ、早くちょうだいっ。あはんっ」
     怒張が一気に押し入ってくる。先端が体奥を二度、三度突いた。
    「んっ……」
     美紀の全身が硬直し、痙攣した。
    「こんなんで逝くのは早いぜ。おれはもっと愉しませてもらうからな」
    「死んじゃう……」
     本格的な抽送が始まった。浅く、時には深く、太く固い肉棒が出し入れされる。ゴム一枚隔てても伝わるその体温は、美紀の肉壺をさらに蕩けさせていく。
    「狂わせてやる。腰が立たなくなるくらいにな」
     酒巻が大きく腹の上で泳ぐ。美紀の体内は既に沸騰し、また爆発が起きるのは時間の問題だった。
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    「口唇」(「主演」・終)

    「ほら、しっかりナメナメしてもらうぜ」
     唯一残っていたブラジャーも外され、改めて高手小手に縛り上げられた由梨恵は、髪を掴まれた。顔が仰向けに横たわった高尾の股間に近付けられる。口惜しいことに、目の前のそれはまだ勃起していなかった。
     キングサイズのベッドに横臥した高尾の身体に対し、ちょうど直角の角度で由梨恵は覆い被さる格好だ。まだ萎えたままのそれの根元に口づけし、何度も先端に向かって舐め上げる。やや力をもたげてきたところで先端をすぼめた唇でキスを繰り返し、小刻みに舌を這わせる。高尾の呼吸が荒くなり、男根に力が漲ってくるのが感じられる。そして、完全に勃起させることに成功すると、由梨恵はわざと先端避けて茎の部分にキスをしはじめた。いつも散々焦らし責めにかけられていることへの仕返しのつもりだった。
    「あうん」
     乳首が高尾の悪戯な指で揉み転がされる。由梨恵の身体はちょうと高尾の右手を伸ばしたところにあった。
    「なかなか上手くなったじゃないか。お礼に気持ち良くしてやるよ」
     高尾の体臭が最も色濃く発せられる部分を口唇愛撫しながら敏感な部分を刺激されると、普段よりさらに快感が増してくる。高尾を焦らそうという邪心は消え去り、先端を唇に咥えながら舌を這わせた。早く高尾のものを秘唇で味わいたくなった。
    「う、ううん、止めてっ」
    「縛られてチ×ポ舐め舐めしながらオマ×コも弄られるなんて最高だろ?」
     高尾の右手は由梨恵の股間をまさぐっている。繊毛を擽り、秘唇を撫で上げ、肉芽を転がしてくる。思わず口唇愛撫に熱が入る。だが、高尾の指弄で思わず声が漏れ、屹立を咥えているのが辛くなってきた。
    「ああん、もう許してっ」
    「何が許してだ? せっかくオマ×コを気持ち良くしてやってるんだ、フ×ラを止めるんじゃないぞ」
    「だってっ、ああ、もう欲しいですっ……」
    「もっとおれを気持ち良くしてくれないと、こいつはお預けだ」
     依然として股間に高尾の指が遊んでいる。肉芽を軽いタッチで巧みに擦られ、快感が背筋を何度も貫いてくる。由梨恵は意地悪い快感に苛まれながら、高尾の屹立を懸命に咥え込んだ。
    「お、なかなか熱が入ってるじゃないか。お礼にもっと愉しませてやるぜ」
     枕元に置いたピンクローターを手にすると、高尾は振動子を由梨恵の股間にあてがった。
    「うふんっ!」
    「ほら、こうするともっと一生懸命舐める気になるだろう?」
     振動が強められる。体内で沸騰寸前まで高められた性感は既に捌け口を求めて荒れ狂っている。
    「あん、ダメっ! 逝っちゃう……」
    「逝ってもいいんだぜ。その代わり、こいつは挿れてやらないからな」
    「そんなっ。意地悪……」
    「逝きたくてたまんないんだろ? おれのチ×ポなんかより、ピンローの方がいいんだよな?」
    「もういじめないでっ。お願い、くださいぃぃ……」
     高尾の屹立に舌を這わせながら、由梨恵は泣き声で哀願した。
    「なら、おれの言うことは何でも聴くか?」
    「何でも従いますからっ! お願い、お願いっ……!」
    「今の言葉、後で撤回したら許さないからな」
     高尾は枕元に置いたコンドームを手早く自らに被せると、由梨恵に命じた。
    「跨がるんだ」
     言われたとおり高尾の股間にまたがった由梨恵は、しゃがみ込みながら手で根元を支えられた屹立を徐々に咥え込んでいく。先端が体奥に届くと、由梨恵は堪らずに腰を前後に律動させた。
    「ああん、気持ちいいっ。気持ちいいよぉ……」
     しばらく由梨恵に思いのまま腰を動かすのを許した後、高尾は腰を数回大きく突き上げた。
    「許してっ、もう……」
     叫びとともに由梨恵は全身を痙攣させた。
    「こんなんで逝っちまって満足してるんじゃねえぞ。もっと狂わせてやる」
     高尾は由梨恵の腰を両手で抱えると、本格的に律動を開始した。深く突いたかと思うと、入り口のあたりを擦り上げ、一気に昇り詰めようとする由梨恵の感覚を翻弄する。由梨恵は顔に汗で髪の毛を貼り付かせ、腰を捩りながら高尾の肉棒を味わわされていた。
    「あんっ、また逝っちゃうっ! もっとっ……。あんっ、来て、来てっ、お願いっ」
    「まだまだこんなんじゃ逝き足りないだろうが」
     高尾は由梨恵を両膝と頭で身体を支える格好にさせると、後ろから貫いた。
    「あん、そこは許してっ!」
     高尾の指が後門を抉り回してきた。
    「ここもすぐ好きになるさ。おぉ、よく締まるぜ」
    「ああん、死んじゃうぅ……」
     腰の律動が大きくなる。喘ぐ由梨恵の髪の毛が掴まれ、ベッドの下に設えられたムービーカメラのレンズに差し向けられた。由梨恵は呆けた顔を晒したまま、高尾が送り込んでくる快楽に没頭していた。撮影動画が高尾の友人の調教師・阿久大寛の元に届けられるとは知らないまま――。

    「九尾」(「主演」②)

    「パンツ脱がされたままじゃ恥ずかしいだろ? 穿かせてやるぜ」
     高尾は責め道具一式を入れたカバンから黒革のショーツを取り出してきた。クロッチの部分に袋のようなものが付いている。
    「うぅむぅ、ひあっ(そんなの穿かされるのイヤっ……)」
     男にショーツを穿かされるなど、羞恥の極みだ。だが、それを訴える叫びは厳重に噛まされた猿轡に阻まれる。背中に結ばれた縄が天井に張り巡らされた梁に繋がれ、立ち吊りの格好となった由梨恵の足首を掴み、足元にしゃがみ込んだ高尾がショーツを無理矢理穿かせた。それが膝の上まで引き上げられたところで、卑しい笑いを浮かべながら高尾が由梨恵を見上げた。
    「ほら、こうしててやるから大人しくしろ」
     いつの間にか手に握ったバイブの先端で、由梨恵の秘裂を上下になぞり始めた。
    「ふん、うふんぅ……ぐっ」
    「簡単に入るぜ、またオマ×コ濡らしてるからな」
     バイブが体内に押し入ってくる。それを反射的に喰い締めてしまい、さらに熱いものが溢れ出す。バイブのスイッチが入れられ、回転が始まる。秘肉をバイブで抉られ、枝の部分で肉芽を弄られる。由梨恵が悶え始める間もなく、ショーツが腰に穿かされる。
    「ふふふ、こうするとバイブを入れたままにできるんだぜ、嬉しいだろう?」
     高尾はショーツの底にできた袋にバイブの根元部分をはめ込んだ。わざわざ皮ショーツを穿かせたのは、バイブを固定するためだったのだ。
     腰にも縄を巻き付け、天井の梁に結び付けられると、由梨恵は立ったまま腰を後ろに突き出したような姿勢を強いられた。バイブの回転は不規則に強さや方向が変わり、由梨恵の性感を翻弄してくる。快楽に溺れようと思ったが、それは許されなかった。
    「ひぎっ!」
     由梨恵のよく張った尻で破裂音が弾けた。高尾は嬉々とした表情でバラ鞭を振るっているのだ。鞭が数回続けて炸裂する。由梨恵は痛撃を避けようと片脚を交互に鶴のように曲げるが、高手小手縛りのまま吊された身では、防御するにも限界がある。痛覚だけでなく、ランダムな動きをするバイブが背筋を貫くような快感を送り込んでくる。何度も尻を撃たれるたびに、由梨恵は感覚と感情をいいように揺さぶられる。太腿をバイブで撹拌された熱い滴が伝い落ちる。奴隷以下の扱いを受けながら感じてしまっていることを、由梨恵は恥じた。
    「どうだ? 鞭もお気に召したようだな」
     いったん鞭打ちを止めた高尾もバスローブの袖で額を拭っている。カップを引き下げられて露出した乳房の頂で、」充血して尖った乳首を指先で軽く揉まれる。それだけで、由梨恵は吊られた上半身を悶えさせずにはいられなかった。
    「こんなに乳首コリコリさせちゃって。お仕置きだな」
     バスローブのポケットから取り出され、目の前に突き付けられたのは木製の洗濯ばさみだった。
    「ひがっ、はへへっ(イヤっ、止めてっ)」
     由梨恵は涙を浮かべて顔を左右に振りながら哀願したが、高尾は微笑みを浮かべたままだ。乳首に鋭い痛みが走る。根元を洗濯ばさみで挟まれたのだ。
    「意外に気持ちいいらしいぜ」
     もう片方の根元にも洗濯ばさみを噛ませながら、高尾は嗤った。絞り出された乳首の先端に高尾の舌先が踊る。
    「う、うぅん……」
    「気持ちいいんだろう?」
     口惜しいがその通りだった。洗濯ばさみで根元を挟まれて感覚が鋭敏になった分、愛撫への反応も激しくなっているのだ。同時にバイブが小刻みに抽送される。交互に乳首を舐めしゃぶられ、回転するバイブを抜き差しされ、由梨恵は腰を大きくうねらせた。猿轡を噛まされた顔が仰け反った。
    「鞭打たれた後、乳首挟まれたまま逝っちまおうなんて、虫がよすぎるぜ」
     絶頂寸前で愛撫を中止した高尾は、恨めしげな由梨恵の目を覗き込むと、鞭を一閃させた。
    「いいっ!」
     縄に上下を絞り出された乳房が痛みに襲われる。
    「あれ? 落ちないか。もう一回だな」
     バラ鞭の先端が乳房を薙ぎ払った。今まで以上の痛覚に襲われると、片方の乳首を挟んでいた洗濯ばさみが飛んだ。
    「もう一個の洗濯ばさみも落としてやるぜ」
     怯えに満ちた由梨恵の目を見返しながら、高尾はバラ鞭の先端を数回乳房に這わせた。乳房の性感が掘り起こされ、秘裂で暴れ回るバイブの動きが殊更に意識される。どうやら、先ほどからバイブの回転数が上げられていたようだ。由梨恵は思わず両脚を閉じ、太腿でバイブを挟み込んだ。振動と回転が余計に体奥に響く。再び鞭が炸裂した。また洗濯ばさみが飛び去った。
    「あぐっ! ひぐぐっ……」
     由梨恵は仰け反ったまま、全身を硬直させた。やがて総身が小刻みに震え、吊り縄に預けた上半身を折った。足元が生暖かく感じられる。由梨恵はまだ顔を下に向けたまま、肩で大きく息をしている。髪の毛が掴まれ、顔を上げさせられると、猿轡を解かれた。
    「鞭で打たれて逝っちまったんだな?」
    「はい……」
     高尾の顔を見ることはできなかった。
    「このスケベ女め、ションベンまで漏らしやがって」
    「恥ずかしいですっ……」
     髪を掴まれたままでは顔を背けるにも限界があった。
    「この様子もしっかり録画してるからな。縛られて鞭打ちで逝かされて、失禁してる姿をな。動画サイトにアップしてやろうか?」
     洗濯ばさみの外れた乳首がまた愛撫される。そのむず痒い感覚と羞恥心がない交ぜとなり、由梨恵は荒い息を吐きながら顔を紅潮させるしかなかった。

    「軸」(「フットルース」③・完)

     唇を犯していた筆が抜き去られると、柚香は身体を俯せに転がされ、尻を持ち上げられた。すぐさま、工藤の屹立が押し入ってくる。
    「んあっ!」
     腰が律動に襲われるのを期待した。だが、工藤はゆっくりと剛直の先端を体奥に届かせると、動きを止めた。自らのものを柚香の肉壺に馴染ませようとしているかのように、先端だけをピクピクと蠢かせている。
    「あんっ」
     柚香は腰を揺すろうとしたが、工藤の手がガッチリと腰を掴んでいるため、思うように動かせない。そのくせ、先端が小さく体奥を擦り、柚香の感覚中枢を中途半場に煽り立ててくる。
    「もう……お願い、動いてっ」
     焦れた柚香が叫んだ。
    「自分がどんな淫らな顔してるか見てみろよ
     工藤は柚香の髪を掴み上げると、ベッドの上部の壁一面に張られた鏡に映し出した。上気して目は霞み、やや濃いめの眉は八の字に広がっている。
    「ああ、恥ずかしい……イヤっ!」
     柚香は身を揉んで訴えた。
    「イヤなら止めようかな」
     工藤は屹立を抜き去ろうとする。
    「そんなっ、お願いですっ、抜かないでえ!」
    「イヤなんじゃないのか?」
     先端だけを肉壺の入口で軽く抽送しながら、工藤は惚けた。
    「もうイヤって言わないから……言いませんから……」
    「ようし、今の言葉、忘れるんじゃないぞ」
    「イヤあっ、そこダメっ!」
    「イヤって言わないんじゃなかったのか、柚香の嘘つき」
     工藤はコンドームをはめた中指で柚香の後門を抉り始めていた。
    「ツルッと入ってくぞ? こっちも経験済みなんじゃないか?」
    「そんなとこ初めてですっ!」
     鏡に晒し上げられた顔が歪み、目尻から幾筋かの涙が伝っている。そんな自分の表情が浅ましいものに思えてならなかった。その間にも、指はゆっくりと着実に後門を広げ、奥まで押し入ってきていることに、柚香は気付いていなかった。
    「ほら、簡単に広がるじゃないか。こいつはどうだ?」
    「何を入れてるのっ?」
    「さっきお前を逝かせてくれたものだよ」
    「筆なんかダメっ」
    「おれの指と大して変わらない太さだぜ? お前が心を込めて舐めてくれたおかげで、すんなり入ってくぞ」
     工藤は筆の軸を後門に侵入させていった。その半分ほどが埋まった後、小刻みな抽送が開始された。
    「イヤあん、変な感じ……」
     柚香は前後左右に腰を揺すり立てながら、未知の感覚に喘いだ。背中で重ねられた両手を、無意識に開いたり閉じたりしている。髪の毛から離れた手が乳首を揉み立て出すと、腰はさらに淫らに蠢いた。再び奥に押し入った屹立に、肉壺が絡み付いてしまう。
    「オマ×コがキュッキュッと締まるぜ。ケツの穴を弄られるのも悪くないんじゃないのか、あん?」
     筆の軸は後門の襞を掻き出すようにゆっくりと前後運動を続けている。後門の感覚をかき立てられるたびに肉壺が食い締めている肉棒の太さや長さ、熱さが意識させられる。工藤の指の腹が肉芽をも転がし始めた。
    「三点責めってやつだ。こういうのは嫌いかな?」
    「ヤっ、ダメっ! んくっ……ひぐっ、あはぁん……」
     柚香の腰がプルプルと震え、背中が反った。しばらく後、顔をベッドに埋め、激しい喘ぎを繰り返している。
    「まさか、ケツの穴で逝ったんじゃないだろうな? あまりに締まるんで、おれも逝きそうになったぜ」
     工藤は嗤いながら、言葉も発せられずに荒い呼吸を続けている柚香の腰を抱えた。
    「あはんっ!」
     本格的に肉棒の抽送が始まった。もちろん、後門には筆の軸が挿入されたままだ。ゆっくりと大きな動きで体奥を着実に突き上げられたかと思うと、入口のあたりを先端が小刻みな動きで刺激する。腰が大きく「の」の字に旋回し、柚香をかつて味わったことのない感覚に追い込む。断続的に喘ぎが漏れ、時折一オクターブ高い声になる。肉壺から漏れ出した淫液が幾粒もベッドシーツに滴り落ちていることになど気付いていない。
    「あん、もっと突いてえ……突いてよっ! 工藤さん好きぃ……」
     工藤の腰の動きが小さくなると、焦れた柚香が激しい突きを催促する。工藤はそれに応える代わり、筆の軸の抽送を再開した。
    「それダメっ! おかしくなっちゃうぅ……」
    「狂っちまえ、ほらっ」
     器用に筆の軸を操りつつ、工藤は大腰で柚香の肉壺を擦り上げ、体奥を突きまくる。それに合わせて柚香の腰も前後に蠢き、工藤の肉棒がもたらす快美感を存分に貪ろうとしていた。柚香の喘ぎ声がさらに大きくなり、呼吸が切迫してきたところで、また髪の毛が掴み上げられた。
    「自分に向かって言うんだ、『逝くぅっ』って」
     同時に、工藤の抽送もラストスパートとばかりにスピードを増してきた。柚香の視線が、快感に翻弄されて歪んだ鏡の中の自らの蕩けた目と絡み合ったとき、体内で何かが大きく爆ぜた。
    「狂っちゃうっ……! あ、イヤっ、ホントに逝っちゃうっ……逝くっ、あはん逝っくぅっ……」
     肉壺の収縮に負けたのか、工藤も自らを解放した。体内でピクピクと先端が蠢くのを感じ、柚香は鏡に目をやったまま気が遠くなっていった。

    「ひと刷き」(「フットルース」②)

    (↓前回の話)
    http://ropeandcabbageroll.blog.fc2.com/blog-entry-12.html

     乳輪のあたりを巡るように舌がチロチロと蠢いた後、唇が乳首の先端を啄むようなキスを繰り返す。双方の乳首にそのような愛撫を続けながら、右手の指先は毛叢をかき混ぜ、鼠径部を撫で回す。先ほど絶頂に達した後、落ち着きを見せていた柚香のそこは再び熱を持ち始めた。
    「あんっ、もっと……」
     椅子縛りからは解放されたものの、上半身の縛めはそのままにベッドに転がされた柚香はむずかった。両脚は既に開かれているのに、工藤は再び意地の悪い焦らしを継続している。
    「さっき逝ったんだからいいだろ? もう少し愉しめよ」
     乳首の根元が軽く噛まれる。それだけで背筋に電流が走り、秘裂からは熱い雫が垂れるのを自覚しながら、柚香は顔を赤くして羞じ悶えた。すると、工藤の中指が唇に割り入ってきた。
    「うむぐっ」
    「ほーら、おれの指をチ×ポだと思って舐めるんだ。でないと、もう逝かせてやらないからな」
     自らが漏らした淫液の味と臭いが口の中に広がってくる。その羞恥に耐えつつ、柚香は懸命に指に舌を絡ませ、唇で吸った。粘膜が肌に擦れる濡れ音が淫猥に響き、工藤の剛直を口唇愛撫するときよりも恥ずかしさに嘖まれた。
    「ダメだ、舐め方が甘いな。こんなんじゃ、もう触ってやらないぞ」
    「そんな……お願いですから」
    「しょうがないな、こいつで我慢してもらおうか」
     ベッドの宮の上に並んだローターやバイブなどの責め道具の中から、工藤が持ち出して見せたのは筆だった。先ほどまで、柚香の足指や甲を擽っていた書道用だ
    「それはイヤっ! ああんっ……」
    「イヤとか言いながら、その声は何だ、あん?」
     工藤は乳首を舐め転がしながら、筆を秘裂に沿って這わせてくる。鼠径部を撫でさすり、溢れる蜜をすくい取ったりしながら、既に充血している肉芽の周囲を回遊している。
    「ああ、もっと気持ちいいところ……んふんっ……」
    「十分に気持ちいいんだろ? 柚香のスケベな臭いが漂ってきてるぜ」
    「イヤ、ク、クリ……」
    「ちゃんと言わないと分かんないよ」
    「クリトリスを触ってくだ……さ……い」
     最後の方の言葉は聞き取りにくくなっていた。
    「最初からハッキリ言えば、焦らされなくて済んだのにな」
     次の瞬間、肉芽に筆先の一刷きが舞った。
    「ひぃっ」
     筆に肉芽を数回繰り返して転がされた後、工藤は言った。
    「どうせなら、クリちゃんをムキムキにしてやるぜ」
     左手の人差し指と中指で肉芽の両側を押さえ、包皮から露頭させた肉芽の先端を筆が走り抜けた。
    「あはんっ!」
    「ムキムキのクリを筆でコチョコチョされる気分はどうだ?」
     神経の塊を繊細な筆先に擽り回され続け、柚香は緊縛された上体を反らせ、開きっぱなしの両脚を突っ張らせた。執拗な筆責めに肉芽への感覚が鈍ってくると、筆先は蜜壺から溢れた淫液に浸されて尖り、肉芽の根元の周囲を回る。先端に筆先を押し潰すように圧迫される。体内の熾火は大きな炎となって全身に広がってくる。だが、もう一段の爆発をもたらすにはわずかに至らなかった。
    「ほら、また逝っていいんだぜ」
     左手の指が勃起しきった柚香の乳首をひねり回す。筆が強く押し付けられる。かと思うと、肉芽の先端を軽く擽るような愛撫に切り替わる。筆責めは緩急自在に柚香の性感を炙り立てていく。
    「あんっ、もう許してっ!」
    「もう逝っちまうのか?」
    「違うっ、逝けないのっ」
     柚香は叫んだ。
    「さっきから筆で優しくいじめてやってるじゃないか、クリちゃんを?」
     筆の愛撫は続いている。
    「筆じゃダメなのぉ……。クリ舐めてっ、触ってくださいっ!」
     目尻からは涙が一筋流れてきた。汗まみれになった身体が捩られる。
    「筆でコチョコチョじゃダメか? お前、自分がどんな恥ずかしいこと口にしてるか分かってるのか、あん?」
    「意地悪しないで、お願い……あああんっ!」
     筆の軸の先端が肉芽を軽く押し始めた。筆先の柔らかい愛撫と違い、比較的固い竹がリズミカルに触れてくる感触に、柚香は全身をのたうち回らせて応じるしかなかった。
    「んひっ! それ気持ちいいっ……」
     軸の先端が露頭した肉芽をこね回す。乳首は指先で揉まれ、引っ張るように摘ままれる。肉芽が再び規則的に押されると、柚香の喘ぎ声は切ない調子から開けっぴろげに快楽を訴えるトーンに変わる。
    「あんっ、ダメっ! 逝く、逝っちゃうっっ……!」
     柚香は身体を仰け反らせ、腰を震わせた。乱れた呼吸を整える間もなく、より強い感覚が秘裂を包み込む。
    「イヤっ、入れちゃイヤっ」
     筆の軸が肉壺に押し入ってくる。
    「まさか、こんな細いのが気持ちいいなんてこと、ないよな?」
     抽送が開始され、軸の先端がGスポットを着実に突き上げてくる。ここの感覚は工藤が開発したものだけに、柚香を追い込むポイントは把握されている。
    「そこダメですっ……。ああ、また逝っちゃうぅ、工藤さん許してっ! んんっ……ひぃっ!」
     真っ赤にした顔を振り立てながら、柚香は腹を波打たせ、不自由な肩を上下させている。
    「エッチだなあ、柚香は」
     あっという間に絶頂に引き上げられた柚香を見下ろしながら、工藤は嗤った。
    「んぐっ、イヤぁ……」
     喘ぎの絶えない愛らしい口に筆の軸が押し込まれる。
    「クリとオマ×コで逝かせてくれたこの筆に感謝するんだよ」
     唇に咥えさせられた筆がゆっくりと抽送され始めた。柚香はわずかに塩気のある淫液にまみれたそれを、舐めしゃぶるしかなかった。
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